形彫り放電加工は、電極の形状をワークに転写する方法です。そのため、電極の加工精度がそのまま形彫り放電加工の加工精度に繋がります。
電極の形状を自由にカスタマイズすることで複雑な形状などを実現できますが、相応の技術力が必要に。電極は切削加工で製作されるため、柔らかい素材のものを加工します。
この電極の加工にコストがかかるのがひとつの注意点です。またコスト面でいえば、大量の油系加工液を利用する加工方法でもあるため、加工コストが高上がりになる傾向があります。
加えて、加工に時間がかかるのもデメリット。形彫り放電加工では、ワークの形状に合わせて電極を製作しなければなりません。複雑な形状に対応できる自由度の高さが形彫り放電加工の特徴ですが、その反面、電極の加工という他の加工方法にはない工程が必要です。なので、どうしても全体的な生産性は落ちてしまいます。
加工速度も遅く、量産には適しません。導電性さえあればどのような金属でも加工できますが、金属の種類によって導電率は異なるため、素材によっては加工にかなりの時間を要することも。
ただし、NCプログラムを使用して設備の自動化を図ることで、加工中の時間を有効活用できます。
放電加工を依頼するなら、形彫り放電加工のメリット・デメリットを理解し、QCDのしっかりした提案を行っている会社を選ぶことで、高精度かつコスト・納期に無駄のない加工が期待できるでしょう。
形彫り放電加工を採用してワークの厚さが12mm、深さ3mmの高精度加工を実現。内径側のはすば歯車を放電加工にて加工しました。
この事例で用いているヘリカル工法と呼ばれる同時二軸制御の加工法は、加工時間と電極の消耗が著しい工法です。しかし、橋川製作所は独自の加工技術により、面粗度2μ以内、寸法公差5μ以内の高精度加工が可能に。さらに、短納期にも対応しています。
形彫り放電加工を利用して球体内部を立体加工。クランプが難しい球体を適切に加工するため、アンダーカット形状の加工方法を応用。内径の溝加工を実現しました。
ピン形状に加工した相手部品と組み合わせれば、元の球体となるパズルのような形状となっています。
放電加工に関するノウハウを駆使して形彫り放電加工を行っているブローチ研削工業所。難加工・多数個・短納期に柔軟に対応しています。
形彫り放電加工をはじめ、ワイヤーカット、マシニングセンタの複合加工にて製造した光学業界用製品駒です。
高硬度の素材であるSKD11を複雑な形状に加工。優れた技術力と提案力により、特注品の加工に対応しています。要望次第で仕上がり時の機械加工面状態を選択できるのもポイントです。
また精密部品加工センター.comではスピード生産体制を整えているので、希望する納期に関して相談してみるのも良いかもしれません。
旋盤加工後の軸に形彫り放電加工にてスプライン形状を加工した事例です。
難易度の高い寸法、形状に対して放電加工を使用した加工の提案を行っているミクロ技研。ワイヤーカットを専門に扱う放電加工会社ではありますが、持ち前の技術力とノウハウにより、幅広い放電加工サービスを提供しています。
電流や電圧を精密にコントロールしながら加工するため、非常に高精度な寸法・目粗さを実現できます。これにより、小型部品(スマートフォン・カメラなど)、大型工業製品(航空機・ロケットなど)などの幅広い部品・製品に対応可能な放電加工です。
またポケット形状や丸形状ではない微細小孔、ねじれ形状などの複雑な形の製品を作る際に用いられることが多々あります。
1回の放電で削れる部分は微々たるもので、加工に時間がかかるのがネックです。
しかし時間がかかる一方で、難しい要求でも高精度で加工できるため、様々な分野で利用されます。
※選定条件
2021年10月4日時点で「放電加工会社」とGoogleで検索し上位表示された放電加工会社57社を調査。下記条件全てに当てはまる会社をピックアップしました。
・品質=技術力として「加工精度3μm以下」
・価格=「安価・低価格の明記」
・納期=「短納期対応の可否」