アルミ系素材をワイヤーカットする際には、適切に加工条件を設定しなくてはいけません。
通電性が非常に高いアルミ系素材は、ワイヤー放電中に人工的な酸化皮膜が生成されています。これは不十分ではありますが、不導体であるアルマイト処理をしていることと同じです。そのため、加工時にワイヤーに必要以上に負荷がかかり、断線が発生しやすくなります。
そこでアルミを加工する際は、表面に強固なアルマイト酸化皮膜が生じないように加工条件を設定するのがポイントです。
アルミに関する正確な知識がなければ、コストや納期が要望に満たないだけでなく、品質が大幅に低下するかもしれません。
そのため放電加工を依頼するときは、QCDがしっかりした会社を選ぶことが大切です。
アルミ系素材を使用したALMAプロジェクトの導波管の部品を製作。
中心の穴の形状が、表が円、裏が四角になっているのが特徴的です。この形状に加工するために、ワイヤーカットの上下異形状と呼ばれる特殊な加工で対応しています。
上下異形状は、加工条件の設定や高度なプログラミング技術を要する加工です。放電加工に精通した専門家でないと難しい加工になります。
高精細な負荷検出に使われるロードセル(荷重変換器)を製作。
0.1mmの精密な加工を行った箇所もあり、加工時に変形が少ないワイヤーカットだからこそできた仕事です。
使用されている素材はアルミ合金「A2024」。超ジェラルミンと呼ばれる素材で、強度と切削加工性に優れています。航空機関連の材料などに使用される素材です。
アルミ系素材で作ったトイレサインです。ワイヤー放電加工機を使用して製作されました。
ワイヤーカット湘南はワイヤーカット放電加工における専門会社です。培ってきた経験と実績をもとに、顧客の要求する加工ニーズに応えています。
高い耐食性を発揮するアルミニウムは、錆の発生や腐食の防止に役立ちます。このことから、自動車部品や海洋開発分野、金型部品に使用されることが多いです。
またアルミニウム合金では、主要合金元素によって特性や用途が異なります。例えば、アルミ合金2017は高強度かつ切削加工性が良いため、航空機関連に活用されることが多く、アルミ合金6063は耐食性、表面処理性に優れており熱交換器などに使用されることが多々あります。
このように、アルミ系素材は合金の種類を見極めて的確に加工しなくてはいけません。
用途・目的に合った製品を製作するためにも、事例をチェックして適切な知識・技術を用いて加工を行ってくれる会社かどうかを確認しましょう。
※選定条件
2021年10月4日時点で「放電加工会社」とGoogleで検索し上位表示された放電加工会社57社を調査。下記条件全てに当てはまる会社をピックアップしました。
・品質=技術力として「加工精度3μm以下」
・価格=「安価・低価格の明記」
・納期=「短納期対応の可否」