鉄

鉄の放電加工を行う際のポイントと注意点

鉄は材料選定において重要視される「Q・C・D」に優れた素材です。

純鉄は比較的導電性が低いのですが、銅やアルミを含む合金では非常に高い導電性を発揮します。用途にもよりますが、放電加工において納期を早めたい場合は、導電性の高い素材を用いて加工を進めるのもひとつの手段です。

加工しやすく、強度が高い製品に仕上がるのも鉄の特徴。非常に手に入りやすく、コストも安いため、世界中の様々な部分で使用されています。

また鉄は熱を加えて、冷やすと硬くなる特性を持っているので、加工する際には技術力と知識、経験が必要です。

素材が硬くなってしまうと、次の工程が難しくなってしまいます。そうならないためにも、Q・C・Dのしっかりした経験豊富な技術者に依頼すると良いでしょう。

Q・C・Dを押さえた
放電加工会社3選を見る

事例：精密機器の金型部品

金型部品の加工内容

精密機器の金型部品をワイヤーカットで製作しました。金型に組み込んだ際にトラブルが生じないように加工。精度を±0.01mmに抑えたことで、要求に応えています。

精密部品加工センター.comは、ワークの歪みなどの問題が生じにくい加工方法、工程を熟知しています。精密機器に使用される部品は、高精度でなければいけないため、反り・変形が起きないように加工してくれるのはありがたいでしょう。

事例：パイプ材

パイプ材の加工内容

旋盤加工とワイヤーカットでパイプ材を製作。パイプ材加工の難しい点は、切った後に変形してしまうことです。この変形に対処するために、ムク材を応力除去し、旋盤加工を行っています。そして、仕上げにワイヤーカットを施して完成です。

このように、しっかりと工程を考え、作業を進めることで様々な素材・用途の加工に対応しています。

事例：内方測定用のボアゲージ

内方測定用ボアゲージの加工内容

内方測定用のボアゲージに使われるSKS-3材を加工した事例です。旋盤加工・フライス加工・焼入れ・円筒・円径研磨・形彫り放電加工といった多数の工程を経て仕上げました。

村上精機は回転スピードや切り込み量など、細かい要望に対して材質に合わせた調節が可能です。また特殊なバイトが必要な場合も適切に加工対応できます。

鉄の放電加工を行う用途

純度の高い鉄は、基本的に限られた用途にしか使われません。なので、実用化するためには炭素をはじめとする他の成分が加わったものを使用すべきでしょう。

市場に流通している一般的な鉄は、炭素鋼と呼ばれる炭素を含有した鉄のことを言うのが普通です。

炭素の含有量を調整することで、強度や伸びが変化し、SS400やS45C、SECCなどの種類に分けられます。

これらの鉄は、自動車部品や家庭用機器部品、建築部材、製造現場の治具・工具など、使用用途がとても身近です。

また、焼き入れや焼き戻しを行えばさらに機械特性が高まり、より幅広い用途で使用できるようになります。