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ステンレス

ステンレスの放電加工を行う際のポイントと注意点

ステンレス素材は、錆びにくく、強度が高いことで知られています。そのため、私たちの身の回りではもちろん、精密機械の部品としても重宝される素材です。

ステンレスは基本的に錆びにくい素材ですが、環境下によっては錆びることも。万が一傷が付いてしまうと、その傷の部分のみ錆びてしまい、品質が落ちてしまいます。

このことから、加工くずで加工面を傷つけないように細心の注意を払って加工しなければなりません。

基本的に加工くずの排出性に優れているのは、加工液に水を用いたワイヤーカットです。安定した加工を行えることに加え、加工速度においても油よりも速いので、納期の短縮を狙う場合に適しているでしょう。

一方、加工液に油を用いた場合は、放電ギャップが水よりも小さく安定しているので加工精度・仕上げ精度が高くなります。

高強度であり、付加価値の高いステンレスは、特徴的な性能をもたらす反面、複雑な形状を要求する場合、精度や加工費に注意が必要です。

ステンレスのような難削材の加工を依頼する際は、技術力はもちろん、設備力や事例・実績をチェックしてQCDのしっかりした会社を選ぶようにしましょう。

Q・C・Dを押さえた
放電加工会社3選を見る

事例:アルファベット入り部品

キンコーのステンレス加工事例
引用元:キンコー公式HP(https://www.micro-and-precision-products.com/product/細穴放電ステンレス加工部品/)

アルファベット入り部品の加工内容

細穴放電加工とワイヤーカットを採用した事例です。SUS303材にあらかじめ開けておいた下穴からワイヤーカットを実施。アルファベットの形状になるようにφ0.15を細穴放電加工で仕上げています。穴径公差±0.005mmの高精度加工です。

事例:コネクター製作治具の部品

柳沢精機のステンレス加工事例
引用元:柳沢精機公式HP(https://www.yanagisawa-sk.co.jp/case)

コネクター製作治具部品の加工内容

ステンレス材SUS303を使用しているコネクター製作治具の部品です。

フライス加工とワイヤーカットを行い、複雑な形状を実現。難しい肉薄の加工においては、ザグリ穴を利用し、プレートに固定して加工したそうです。

難易度の高い加工でも、アイデア次第で精度の高い製品に仕上げられます。

事例:半導体製造装置の部品ノズル

村上精機のステンレス加工事例
引用元:村上精機公式HP(http://www.murakamiseiki.co.jp/technology/electrical.html)

半導体製造装置用部品ノズルの加工内容

SUS304を使用して半導体製造装置の部品ノズルを製作。旋盤加工、細穴放電加工が用いられました。先端外径3πで、0.2mmの穴を開けています。公差は0.005mmです。

放電現象による微小径の穴あけ加工を可能にする細穴放電加工を採用しているからこそ、このような高精度加工が行えるのでしょう。

事例:溝加工部品

フジタのステンレス加工事例
引用元:フジタ公式HP(https://www.fujita-k.co.jp/info/20170831/)

溝加工部品の加工内容

ワイヤーカットによる溝加工を行った事例です。ステンレス板の厚さは1.5mm。溝の深さは5.3mmで、溝幅は0.4mmとなっています。

高硬度の素材として知られるステンレスですが、ワイヤーカットを用いたことで、硬度に関係なく、精度の高い加工が可能に。難削材の加工は、実績のある会社に依頼すると信頼性の高い提案を行ってくれるでしょう。

ステンレスの放電加工を行う用途

ステンレスは合金の比率や熱処理によって種類が異なります。大きく分けると、マルテンサイト系・フェライト系・オーステナイト系の3種類です。

マルテンサイト系は、高硬度のステンレス鋼。ほかの種類のステンレス鋼よりも耐酸化性にも優れ、耐熱性もあるため、刃物・ノズル・タービンブレードなどの硬度・強度が要求される部品に使われます。

またフェライト系は、比較的安価で溶接性も悪くないので、炉部品(800℃まで)や化学設備で活躍する素材です。

オーステナイト系は上記2つのステンレス鋼と比べて、耐食性・加工性・溶接性が優れているため、バネや強靱鋼など、幅広い用途に使用されます。

QCDを満たす
放電加工会社3選
QCDを満たす放電加工会社として、下記の3点を満たす放電加工会社3社をピックアップしています。Q(品質):加工精度3μm以下/ C(価格):安価・低価格の明記 / D(納期):短納期に対応
高難度加工で選ぶなら
橋川製作所
  • 加工精度0.25μmを実現
  • キリ折れ除去・自由曲面加工にも対応
  • 難加工材セラミックスの放電加工ができる
複数工法の加工が必要なら
日研稲吉
                   
  • 放電加工はもちろん、平面・切り上げ、成形研削、コンダリング加工に対応する 加工範囲の広さ
  • 製造物のプロファイル加工に対応
  • 最小R0.032程度のワイヤー加工品質
工数削減を優先するなら
ミナミテック
  • 部品調達~加工・検査まで 社内一貫体制
  • プレス金型の製作にも対応していて大量生産までの過程を一本化できる
  • ISO9001 取得の安心感
           

※選定条件
2021年10月4日時点で「放電加工会社」とGoogleで検索し上位表示された放電加工会社57社を調査。下記条件全てに当てはまる会社をピックアップしました。
・品質=技術力として「加工精度3μm以下」
・価格=「安価・低価格の明記」
・納期=「短納期対応の可否」